大阪西梅田再開発
アントニー・ゴームリー/Mind-Body Column
鉄、H15.24m
4棟の高層ビルに囲まれた、中央広場に立つモニュメント。地球の核を構成する主要物質「鉄」を無垢のまま使用し、大地から「生えた」人体造形とすることで、大地と人との、自然と人との、ひいては作品名にあるごとく心と体の、連続性が暗示されている。作家アントニー・ゴームリーにとって、初のタワー状大作。構造的に困難を極め、優秀なエンジニアを大いに煩わせた。その結果、溶接を一切使用せずに、「焼き嵌め」によって、全体を組み上げた。阪神大震災後でもあったので、耐震にも万全の注意を払い、免震装置を地下に設けた。装置の安定のため、地下に20トン強のおもりを埋めている。[事業主:レールシティ西開発株式会社]
大阪西梅田再開発
ケネス・スネルソン/Dragon
ステンレススチール、ワイヤー、H9.3m
再開発地区全体の景観を考慮して、「見通しの良い」「圧迫感の無い」ビルのファサードが建築的に探求され、結果大胆な高床式となった。そのせり上げられたビルの足元に、見通しを遮らない、圧迫感のない、軽やかな、しかし存在感のあるモニュメントが求められ、この作家・作品に決定した。パイプとワイヤーからなるこの特殊な構造は、テンセグリティーと呼ばれ、一般にはバックミンスターフラーと結びつけて語られることが多いが、発見者は大学での彼の教え子、この作品の制作者、ケネス・スネルソンである。このことは、バックミンスターフラーも公式に言明している。[事業主:レールシティ西開発株式会社]
大阪西梅田再開発
片山利弘/life 2000
御影石
地下街に直結したビルの入口壁面に設置した壁画作品。作家の片山は、もともと色づかいも巧みな高名なグラフィックデザイナー。ボストンを拠点に活動するうち、東洋的な筆と墨による力強い表現にも強く惹かれていた。場所の特性を理解し、更に三次元的な展開を加味し、この作品を提案した。御影石による力強いレリーフである。[事業主:株式会社損保ジャパン(旧安田火災海上保険株式会社)]
大阪西梅田再開発
脇田愛二郎/Helix U-2005
造形感覚はもとより、建築的な空間感覚、スケール感覚に大変優れた作家。この点が特に建築家に高く評価され、作品の設置事例も多い。イサム・ノグチの影響を受けつつも、とりわけ螺旋状の力強い立体作品を探求し、独自の作風を築いた。この作品も脇田の代表的造形である。[事業主:ダイビル株式会社]
設置年 :2001年
所在地 :大阪府大阪市北区梅田(JR大阪駅西側)
事業主 :レールシティ西開発株式会社、ダイビル株式会社、
株式会社損保ジャパン(旧安田火災海上保険株式会社)
設計者 :株式会社日建設計
主な用途:再開発事業、 オフィスビル、店舗
役割 :アートディレクション、制作・設置受託